鼻筋を通す
日本人の鼻は鼻背が低く、鼻翼が横に張っているダンゴ鼻タイプの多いと言われています。鼻背を修正して鼻筋を通すことにより、鼻が上下方向に長くなりダンゴ鼻が矯正されます。隆鼻術には、ヒアルロン酸の注入またはシリコンプロテーゼの挿入が有効です。耳介軟骨移植が行われることもあります。
ヒアルロン酸注射による隆鼻手術
注入用のヒアルロン酸が開発されたことにより可能になった方法です。鼻背部や鼻根部の窪んだ部分にヒアルロン酸を注入して鼻筋を通します。ヒアルロン酸注入は短時間でほとんど腫れもなく行うことができますが、少しずつ吸収されることが欠点です。
シリコンプロテーゼによる隆鼻手術
鼻背部の皮下に医療用のシリコンプロテーゼを挿入して鼻筋を通す方法です。シリコンプロテーゼにはI型とL型があります。用途において使い分けています。I型プロテーゼは鼻背部や鼻根部に入れて鼻筋を通す目的に使用します。L型プロテーゼは、鼻背部鼻根部と共に鼻尖や鼻橋部をアップする効果があります。シリコンプロテーゼ挿入は、腫れなどのダウンタイムがありますが、永続的な隆鼻効果が得られるのが利点です。
耳介軟骨移植
耳介軟骨を採取して、鼻背部の窪み部分に挿入して、鼻筋を通す方法です。異物を一切使わないために、安全性が高い方法です。しかし軟骨を採取するために傷が出来ることと、時間が掛かるという欠点があります。個人の希望により、隆鼻術を使い分けています。
鼻の横幅を縮める
横に張りだした鼻の横幅を縮めるためには、小鼻縮小、鼻幅縮小、鼻尖縮小などをその方の症状に合わせて組み合わせて行います。あまりに大きな変化を希望し鼻の穴が小さくなり過ぎたり、呼吸がしにくくなったりすることがあり注意が必要です。日本人は低い鼻を高くしたい、小さい鼻を大きくしたいという希望が多いのですが、逆に高すぎる鼻を低くしたい、大きすぎる鼻を小さくしたいというお悩みに関しても対応可能です。
小鼻縮小、鼻翼縮小手術
張り出した小鼻を切除することにより、鼻の横幅を縮める手術です。小鼻のどの部位が飛び出しているかにより切開する部位が異なります。小鼻縮小は、外側切除法と内側切除法の2つに分けられます。小鼻自体が張って外側に飛び出している場合は外側切除法を行います。外側に小鼻が飛び出していない場合は内側切除法を行います。
鼻幅縮小手術
鼻の幅を狭くする手術です。鼻幅自体が太く鼻孔底が広い場合は鼻翼縮小手術を行います。鼻翼縮小手術は方法によって後戻りすることがあり、各クリニックで手術法を工夫しています。無理に鼻幅を縮めると息が出来なくなるリスクがあるために注意が必要です。
鼻尖縮小手術
丸い鼻尖を狭く尖らせる手術です。切らない鼻尖縮小手術と切開式鼻尖縮小手術が知られています。切らない鼻尖縮小手術は、メスを使わないで鼻尖を糸で縛る方法であり非常に手軽です。しかし切開式に比べて鼻尖縮小効果が劣ります。
鼻プロテーゼによる隆鼻手術
術前
術後13日目
26歳、女性。鼻プロテーゼによる隆鼻手術、整鼻手術
症例経過:上下方向に短く横に広っているダンゴ鼻を悩んでいた症例です。鼻を変えたいということで御相談いただきました。鼻プロテーゼを用いて鼻根部から鼻背、鼻尖部をアップして清楚で上品な鼻を作製しました。
症例解説:隆鼻手術は、ヒアルロン酸鼻注入と鼻プロテーゼがあります。ヒアルロン酸鼻注射は手軽さという点では優れていますが、永続性という点では鼻プロテーゼが勝っています。比較的短時間で横に広がった鼻を縦長のスッキリした鼻に帰ることができます。鼻プロテーゼには、プロテーゼが曲がった、グラグラ動く、浮き出ていて形が分かる、皮膚が赤くなったなどのリスクやデメリットが認められることがあります。術前に、リスクやデメリットについて十分説明を受けた後に治療に臨んでください。